Debug Area

https://agri-policy.jp/wp-content/themes/meiji_shokukan
https://agri-policy.jp/

News

「フードシステム論研究室」からのお知らせ

研究室活動~フィールドワーク実習(食品ロス~バッズをグッズに転換する~)

Ⅱ 飼料としての利用  

   

1.家畜生産と飼料

  

(1)家畜の飼料とは

 飼料は、大きく粗飼料と濃厚飼料から構成されています。粗飼料は主な原料は牧草で、茎葉を乾草(乾燥)、サイレージ(乳酸発酵させて貯蔵性を高めたエサ)にして貯蔵できます。濃厚飼料に比べると粗繊維質量が高く、エネルギーやたんぱく質が少ない飼料です。草食動物である牛にとっては栄養源となるだけでなく、消化機能を安定させる生理的に必須の飼料です(注1)。

資料:農林水産省「家畜飼料の種類」                        

 

 濃厚飼料は、穀類(とうもろこし、こうりゃん等)、大豆油粕、糠(フスマ、米ヌカ等)等がある。エネルギーやたんぱく質が豊富で、これらの供給源として重要な飼料です。

 2018年(平成30年度(概算))の畜産における飼料供給割合は、粗飼料が20%で、濃厚飼料が80%(TDNベース(注2))となっています。

図表 畜種別の粗飼料・濃厚飼料の比率(平成30年度)

資料:農林水産省「飼料をめぐる情勢」(令和2年)、1ページ。

 飼料費が畜産経営コストに占める割合は高く、粗飼料の給与が多い牛で3~5割、濃厚飼料中心の豚・鶏で6割に達するといわれています。したがって、牛乳・乳製品や食肉の生産に関わるコストを引き下げるためには飼料費の削減が不可欠です。

     

図表 畜種別経営コストに占める飼料費の割合

資料:農林水産省「飼料をめぐる情勢」(令和2年)、1ページ。

     

 農林水産省の統計では、2019年度(令和元年度(概算))の飼料自給率(全体)は25%で、このうち、粗飼料自給率は77%、濃厚飼料自給率は12%となっています。
  農林水産省では、飼料自給率について、粗飼料においては放牧の活用や草地の生産性向上、飼料生産組織の高効率化等を中心に、濃厚飼料においては未利用資源の利用や飼料用米の長期安定的な取引の拡大等により向上を図り、飼料全体で34%(令和12年度)を目標としています。

  

図表 粗飼料及び濃厚飼料の自給率の推移

資料:農林水産省「飼料をめぐる情勢」(令和2年)、3ページ。

注1:農林水産省「家畜飼料の種類」(https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/pdf/130327_meguji_sepa3.pdf)
注2:
注3:

   

  

固定ページ: 1 2 3 4 5