研究室活動~フィールドワーク実習(食品ロス~バッズをグッズに転換する~)
Ⅰ 食品ロスの現状
Ⅲ 食用としての利用
Ⅲ 食用としての利用
1.フードバンク
(1)フードバンクとは(全国フードバンク推進協議会HP)
フードバンクとは、安全に食べられるのに包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどの理由で、流通に出すことができない食品を企業などから寄贈していただき、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する活動です。
フードバンクは、アメリカでは1967年に開始され現在では200以上のフードバンク団体が活動しています。また、フランスでは1984年に開始され現在では100近くのフードバンク団体が活動しています。他にも、カナダ、イギリス、オーストラリアなど世界中の様々な国でフードバンク活動がおこなわれています。
日本では2000年以降フードバンクが設立され始めましたが、フードバンク活動の背景となる「食品ロスの問題」「貧困問題」への認識が十分に浸透していないこともあり、まだ活動が十分に認知されているとは言い難い状況にあります。
(2)事例:「フードバンクかながわ」(フードバンクかながわHP)
日本の貧困率は15%を超え、先進国の中でも“貧困大国”といわれる深刻な状況にあります。経済的な格差の拡大に加え、地域コミュニティや家族関係の変容により、高齢者や子どもの貧困化をはじめ、社会的弱者の孤立化が進行しています。こうした事態に現在の社会保障制度や公的機関はセーフティ機能を十分に果たしきれていません。
その一方で、本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品、いわゆる「食品ロス」が年間推計621万t(事業系339万t、家庭系282万t)も発生しているといわれています。
このように深刻化した日本の貧困化に対し、地域では市民同士のたすけあい、支えあいが様々に試みられています。今日全国的に広がりを見せている見守りや居場所づくり、フードバンクや子ども食堂といった取り組みもその試みのひとつです。
私たち協同組合、労働福祉団体、市民福祉団体は生産者・消費者によるたすけあいの組織であり、働く人々や市民同士によるたすけあいの組織です。
これらの組織が持つ食料の生産、流通の機能、人と人とが協同し相互扶助をはかるといったインフラと体制は、個人、諸団体、企業、行政等と連携することで今日の「貧困問題」「食品ロス問題」の解決の一端を担いうるものと考えます。