実施目的
今日のグローバル化の下で,食料・農業・農村をめぐる状況は著しく変化しています。
「食料と環境の世紀」といわれる21世紀の新しい時代の要請に応えるため,私たちの学科は,2008年度から学科名称を「農業経済学科」から「食料環境政策学科」に改めました。私たちの学科では,将来特定の地域(市町村や集落など)の農業振興を担うリーダーとして活躍したいという強い意思を持った志願者のために,2002年度から「地域農業振興特別入学試験」を実施しており,多くの卒業生を輩出してきました。
地域農業・農村の発展に貢献できる人材を社会に送り出すことが強く期待されている今日,「食料環境政策学科」においても,この特別入学試験の役割がますます重要になってきていると考えています。
この特別入学試験では,書類選考,プレゼンテーション,個別面接などによって選考を行いますが,選考にあたって何よりも重視しているのは,地域農業に対する強い想いと,将来,地域農業振興を担う具体的プランと根拠です。入学後は,当学科の専門科目を学習するだけでなく,農学科・農芸化学科・生命科学科からも興味のある科目を幅広く履修できる環境を最大限に活用することで,農業・農村を総合的に考察できる人材として成長し,地域で大いに活躍してもらうことを期待しています。
食料環境政策学科の教育理念
今,世界の食料問題,地球規模での食料や環境・資源問題が,未来の人類の存続にも関わる重要な課題となっています。
21世紀が「食料と環境の世紀」といわれるのもそのためです。
食料環境政策学科は,「食料・環境・生命」の3つを教育・研究のキーワードにしている明治大学農学部の中の文系学科として,「食と農」,「環境と資源」をめぐる諸問題を社会科学の側面から考察し,その問題解決に取り組む人材の育成を目指しています。そのためには,食料・農業問題,環境・資源問題をグローバルな視点から考える能力を養うと同時に,地域を重視し,地域の視点から考え,取り組むことが必要です。本学科はこうした視点や問題解決能力を養成することを教育の目的としています。
出願者に求める資質
地域農業振興に対する強い意志,斬新な発想,そして具体的プランと行動力を持ち,地域農業振興という課題に対して,本学科で学んだ知識・経験を活かし,将来は自ら地域農業振興のリーダーとして仲間を巻き込みながら取り組む能力と志を有する者。
すなわち,第1に,自ら住む地域の農業に愛着と誇りを持ち,第2に,将来は地域農業振興のリーダーとして活躍する志と具体的プランを有し,第3に,そのプランが現実的な基盤のうえに立てられたものであることを説得できる者です。もちろん,地域農業について広範囲な知識欲を持ち,実践的・総合的に考察できる者であることは言うまでもありません。